水廻り110番 No.1
毎日使っているトイレも、急に水が止まらない、水が出ないと大変ですね。『水廻り110番』は、よく起こりやすい水廻りの故障と原因について理解していただくのと、いざというときのために、修理方法を解説いたしました。もちろん、水道工事店に修理してもらうのが一番ですが、それまでの対処法としてご参考になればと思います。
洋式便器ロータンク内の故障と修理
・水が止まらない場合
水が止まらない場合は、まずどこが悪いのか原因を調べ、修理を行いますが。慌てず、修理を行う前に必ず止水栓を閉じて水を止めます。止水栓は、ロータンク横にハンドル式かドライバー式の止水栓がありますので、右に回して閉じます。
もし止水栓が付いていない場合は、一戸建てであれば屋外の水道メーターボックス内にあり、ハンドルを右に回して閉じます。集合住宅であれば廊下の点検口内にある水道メーター横にあるハンドルを右に回して閉じます。あと、修理が終わった後は、必ず開栓しましょう。案外、忘れる方もいらっしゃいます。
あとは、下の故障診断のフローチャートに沿って原因を確認してください。
用語説明
『ボールタップ』 | 浮玉により水を出したり、止めたりするもの。 |
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『オーバーフロー管(サイフォン)』 | ボールタップの故障により水が止まらない場合、便器に水を流して、タンクから水があふれるのを防ぐもの。 |
『ピストンバルブ』 | 水道管からの給水と浮玉の上下により水を止めるもの。和式便器では、フラッシュバルブ内にあるレバー操作で水を流すもの。 |
『フロートバルブ(浮きゴム)』 | レバーで浮きゴムを引き上げると、タンクの水が便器に流れ、水位が下がると 閉じるもの。 |
『ストレーナー』 | 給水管とタンクの接続部にある、水道管からながれてくる小石、ゴミを防ぐもの。 |
『調圧弁』 | 手洗い付ロータンク用のボールタップに入っているもので、タンク側と手洗い側の水の量を調整し、 高い水圧でも手洗いから出る水の量を一定の量に抑えるもの。 |
1. 「ロータンクの水が止まらない」:解説
水が止まらない原因は、オーバーフロー管から水があふれるか、あふれないかで違いがありますが、多くは浮玉かボールタップが原因です。浮玉が外れていたり、割れている場合は交換しましょう。浮玉に原因がなければ、ボールタップが原因です。ピストンバルブのパッキンが磨耗している時は交換したり、さびている場合はピストンバルブを交換しましょう。また、年数の古いボールタップは新しいものに交換しましょう 。
また、それ以外の原因はフロートバルブ(浮きゴム)外れていたり、ゴミがはさまっている場合があります。ゴムが劣化している場合も止まりが悪くなります。手で触り黒くなるようでしたら、新しいものと交換しましょう。
水が出ない・出が悪い場合
水の出ない場合も、修理する時は必ず各止水栓を閉じてから始めましょう。
2. 「ロータンクの水の出が悪い」: 解説
タンクの中に水がたまっているのに水が出ないのは、フロートバルブ(浮きゴム)とレバーをつないでいるクサリが外れていたり、切れているのが原因です。切れている場合は、フロートバルブ(浮きゴム)ごと新しいものに交換しましょう。また、タンクに水がたまらないのは、ボールタップの浮玉がタンク内の壁にあたり、浮玉が下がらないのが原因です。タンクの貯水に時間がかかるのは、ストレーナーにゴミが詰まっているのが原因です。止水栓で水を止めてから、ストレーナーに付着したゴミを歯ブラシで取り除きましょう。
その他の原因では、ボールタップのピストンバルブが水アカやサビで動きが悪くなっています。付着した水アカの汚れを落とすか、ピストンバルブごと交換しましょう。
3.「手洗い吐水口からの水の出が悪い」: 解説
手洗い付ロータンクの吐水口からの水の出が悪いのは、ボールタップに入っている調圧弁に固着した水アカやサビが原因です。調圧弁を取外しウエスか耐水ペーパーで取り除きましょう。
和式便器フラッシュバルブの故障と修理
和式便器の場合は、洋式便器のようにロータンクがありませんのでフラッシュバルブのレバーを下げることにより水を直接、水圧により流します。ただし、タンクが上についている場合は洋式便器と原理が同じですので、洋式便器の故障と修理を参考にしてください。
1. 「フラッシュバルブの水が止まらない」:解説
和式便器のフラッシュバルブ内にある、ピストンバルブにゴミが付着したのが原因ですピストンバルブのストレーナーを掃除するか、ピストンバルブの小穴を掃除しましょう。
また、少量の水が止まりが悪いのは、ピストンバルブの下にあるシートパッキンが傷んでいるからでしょう。傷んでいれば新しいものに交換しましょう。
また、年数の経ったピストンバルブは丸ごと交換しましょう。
2. 「レバーハンドル部から水漏れする」:解説
ラバーハンドルからの水漏れは、フラッシュバルブ内の押棒部の劣化が原因です。新しいものに交換しましょう。
水廻り110番ページリンク
- 水廻り110番 No.1
- 水廻り110番 No.2 ボールタップの水位調整方法について
- 水廻り110番 No.3 ボールタップ・ピストンバルブの交換方法について
- 水廻り110番 No.4_1 フロートバルブの交換方法について(その1)
- 水廻り110番 No.4_2 ロートバルブの交換方法について(その2)
- 水廻り110番 No.5 ハンドル部の点検と修理方法について
- 水廻り110番 No.6 ストレーナーの点検と掃除方法について
- 水廻り110番 No.7 調圧弁の点検と修理方法について
- 水廻り110番 No.8 ピストンバルブの小穴掃除方法について
- 水廻り110番 No.9 シートパッキンの交換方法について
- 水廻り110番 No.10 押棒部の交換方法について