エアコンのガス漏れの原因とガス補充を業者に依頼する注意点

1.エアコンが効かないのはガス漏れが原因か?

 エアコンが冷えない原因として

エアコン内部の故障とエアコンの内部の汚れ、冷媒ガスの漏れが主な原因です。

 エアコン内部の故障の原因は、コンプレッサーの不調であったり電装部の劣化であったりかなり専門的ですので今回はガス漏れに関してのみ解説します。 

エアコン内部の汚れは故障ではなくクリーニングすれば解決しますので除外し、冷媒ガスのガス漏れについて解説します。

ガス漏れが起こる原因について

 取外し・取付け工事による

引越しの時に取り外した際にガスを漏らす、移動中にネジの締め付けが悪くガスを漏らしてしまう。

 取付け工事の時にガスを漏らしてしまう。
冷媒配管の施工不具合により、徐々に漏れ出しひと夏は持ったが翌年は効かなくなった。

 このような場合の注意点は、取外しの時にガスを漏らしたとか移動中にガスを漏らしたのが原因であれば、ガスを補充すれば回復します。

 問題は取付け工事でガスを漏らした場合です。

ほとんどは冷媒配管(太い銅管と細い銅管)を室外機の弁に接続する箇所で漏れることが多いです。

 これは、接続部の銅管の加工ミスや接続不良です。慣れていない方や中には素人の方取付けした場合に多い原因です。

 適切な道具(トルクレンチ)を使用し、ベテランの職人さんであればこのような施工ミスは起こしません。

 また真空引きをしないと冷媒配管内の水分や空気が混入していてエアコンが正常に作動しません。

 真空引きとは

 取付け工事の仕上げとして、真空ポンプを使ってエアコン室外機の内部と配管内から空気を完全に抜き、エアコン全体を真空状態にして内部を乾燥させます。

チリや埃が混入して閉鎖弁で目詰りして、冷媒ガスが循環しない事で冷えない原因となることもありますが、ガス漏れとは違いますが施工ミスと言えます。

 これは真空引きを行わなかったり、接続箇所をカバーしなかったりした場合に起こります。

配管に不具合があってガス漏れの可能性がある場合は、配管をやり直してからでないとガス補充をしてはいけません。

 室外機を動かしたことによる

 この事例は、マンションや戸建てで外壁塗装が有る場合に室外機を一時的に動かしたりして、接続部が緩んでしまったり、配管を曲げてしまったりしてガスを漏らすケースが多いです。状態によっては、一から配管をやり直さないといけません。 

なぜなら、ガスを補充しても、配管に不具合があればまたガスが漏れてきます。費用は高くつきますが、配管を再度やり直す方が間違いないからです。

経年による自然蒸発による

これは20年くらい前の古いエアコンで起こる原因です。
古いエアコンには、R22という冷媒ガスが使われていますが、不具合があってのガス漏れではなく単純にガスが無くなったので、ガスを補充すれば冷えは元に戻ります。昔のエアコンの方が頑丈に作られています。

2.エアコンのガス漏れか確認する方法は?

 エアコンのガス漏れを点検方法として

専門業者であればガス圧を計るゲージマニホールドを使いますが、別に簡単に調べる方法もあります。

用意するものは、プラスドライバーと石鹸水だけです。

手順は、

 ・冷房を30分ほど運転させる。
       ↓

・室外機の右側のカバーを外し、配管に霜がついていないか確認する。

       ↓

・室外機の配管の接続部に石鹸水を掛かて、泡が出ないか確認する。

霜がついている原因は、配管内の冷媒ガスが不足して滞留しているからです。 配管接続部に気泡が出る場合は、ガスが漏れている証拠です。

ただし正確にガス漏れがあるかどうか判断するには、やはり専門業者に依頼する方が良いです。

 ガス漏れがわかる時期は、引っ越しで移設の取付工事のあと3~7日のちエアコンが冷えなくなった場合はガス漏れの可能性大です。

 また、微量のガス漏れの場合は半年から1年後にわかる事があります。

 エアコンが冷えないと気付いた時は、まず自分で確認してみてから業者に調査を依頼してみましょう。

 3.ガスの補充を業者に依頼する場合の注意点は?

「エアコンが冷えない!困った、早くガスを補充しなければ!」

業者に依頼する前に注意しておく必要があります。

 ガス補充を依頼する注意点は

 ・エアコンが冷えない原因はガス漏れとは限りませんので、調査だけだと料金はいくらかかるか確認をする。

 ・ガス補充と冷媒配管の修理が出来るかどうか確認する。

 ・冷媒ガスの付け足し補充が可能か確認する。

 冷媒ガスの付け足し補充とは、残っているガスをそのままに補充する方法です。ガスの残量があるかどうか、またどれくらい残っているかという判断は専門の業者であれば分かります。

 ガス補充が必要な判断基準は

上記を確認する必要性があるのは、対費用効果を検討するためです。
ガス補充と配管修理を合わせると料金は高くなります。いっそ新品にやり替える方が良い場合もあります。

また年式が10年以上経過しておれば、新品に買い替えるのが得策と言えます。

 年式が浅い、高機能なエアコンを付けている場合は買い替えるのはもったいないのでガス補充と配管の補修をする方が良いと言えます。

 とにかくこの夏場だけでも乗り切れば良い場合は、付け足し補充で料金を安く済ます方法もあります。

 業者を選ぶポイントは

 ・エアコンのガス補充や配管修理の事績が多い

・ヒヤリングを丁寧に行う

・料金体系が明確である

ガスの種類により補充方法が変わる


冷媒ガスの種類により、ガスの付け足す補充が可能なガスと完全に入れ替えるフルチャージ(総入れ替え)でないといけないガスがあります。

・付け足し補充可能は、現在家庭用エアコンの主流のR32、

20年ほど前まで主流であったR22

・フルチャージ(総入れ替え)が必要なのは、5年前まで主流であったR410A

 エアコンの室外機の右カバーにエアコンの冷媒ガス名が記載されていますので、依頼する場合は自分のエアコンのガスの種類を伝えることです。

 4.エアコンのガス補充の料金相場は?

ガス補充の各料金相場

 家庭用エアコンの料金相場は、約13,000~25,000円の範囲が多いです。

 料金相場は、依頼する地域や業者、補充するガスの量により料金は変わりますので、あくまでの目安の金額です。

 ガス補充せず、調査だけで終わる場合は、6,000~9,000円

 ガスを付け足し補充させる場合は、10,000~16,000円

 ガスをフルチャージ(総入れ替え)させる場合は、18,000~25,000円

 

作業時間は、1時間程度で終わりますが、室外機の設置場所により作業時間は変わります。

室外機が屋根の上や壁面に掛かっている場合は時間がかかります

 業者さんにガス補充を依頼する場合は、ガスの種類、ガスの補充方法、室外機の設置場所により料金が変わる事を念頭に、問い合わせてはいかがでしょうか。

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